グラウンドアンカー工法 工事例集
平成134月 JOSシステム研究会

[事故例の部]

【 事故例 1 】

〜被圧地下水によるトラブルの場合〜

H8年施工 急傾斜地崩壊対策工事

概要:法枠・ロックアンカー工
   VSL E5-2
   削孔径 φ115
   L=11.014.0
   設計荷重=16.0

定着層確認
パウダーコアサンプル

上段部には地下水無し

緊張試験の結果設計荷重OK

無水掘削孔中に隣りの孔からも多量の被圧水が噴出。

注入状況立会

考察
下段部で2本設計荷重未満で引き抜けた。
被圧水のいたずらでセメントミルクが希釈され、周面摩擦の抵抗値が当初設定を下回ったと考えられる。

対策工事 増打施工
EGS D23
設計荷重 16.0

当初設計 L=14.0
       (自由長 11.0m)
       (定着長  3.0m)
変更設計 L=20.0
       (自由長 10.0m)
       (定着長 10.0m)

 

【 事故例 2 】

〜泥岩層定着によるトラブルの場合〜

H10年施工 地すべり対策工事

概要:法枠・ロックアンカー工
    SEEE F20TA
    削孔径 φ115
    L=12.613.6m 32
    設計荷重=15.5

考察
地盤がシルト層〜泥岩層 
基本調査試験(引抜き試験)を実施しなかった為に、定着層泥岩の極限周面摩抵抗値の設定に違いがあった。

(社)地盤工学会基準
グラウンドアンカー設計・施工基準
       (JGS・4101-2000

     P115117
     P152154  参照

 

【 事故例 3 】

〜削孔水によるトラブルの場合〜

H10年施工 地すべり対策工事

概要:法枠・ロックボルト工
   L=5.0m 約50

泥水掘による上部民家被災状況

ロックボルト工泥水掘による上部民家の被災状況
(H1112月)

考察
多量の削孔水により、土砂の引込現象が起き、地盤沈下が起きている。
また、ロックボルトが定着層に根入出来ていないと考えられる。
 (最低1m以上必要)

 

【 対策工事 】

〜削孔水によるトラブル対策〜

12年施工 再対策工事
無水掘工法にて施工中

概要:ロックアンカー工
   VSL E5-2
   削孔径 φ115
   L=11.012.5m 20
   設計荷重=21.0

無水掘工法により定着層の位置、及び厚層を確認し(-7.08.5以深)施工した。

概要:擁壁ロックアンカー   6
    受圧板ロックアンカー 12

再対策工事完成

現在 420tの力で民家を安定化。

 

【 事故例 4  

〜定着長不足によるトラブルの場合〜

63年施工 地すべり対策工事

概要:法枠・ロックボルト工
   L=5.0m 約300

11629日の大雨にて被災
民家2軒も被災した

考察
ロックボルト長が短い為に定着層に根入出来ていない
(最低1m以上必要)

被災後、押え盛土の状態にて災害復旧設計待ち

12年施工 災害復旧工事 完成

概要:災害査定 7900
   L44m×W44
   横ボーリング 7
   受圧板ロックアンカー工 66
   張コンクリート工一式
   応急工事構造物撤去一式

 

【 事故例 5

〜被圧地下水によるトラブルの場合〜

H8年施工 急傾斜地崩壊対策工事

概要:法枠・ロックアンカー工
   SEEE F20TA 
   削孔径 φ115
   L=      30
   設計荷重= 15.5t

考察
泥水掘の為に地下水の有無、特に被圧地下水の把握が出来なかった。

注入後、セメントミルクが希釈され周面摩擦が不足したものと考えられる。

 

 

【 対策工事 】

〜被圧地下水によるトラブル対策〜

12年工 急傾斜地崩壊対策工事
無水掘工法にて施工中

概要:法枠・ロックアンカー工
   VSL E5-2 
   削孔径 φ115
   L=8.010.0m 22
   設計荷重=20.16

無水掘工法基本試験

無水掘試験削孔により地下水が多量に現認出来た為、排水ボーリング及びアンカー材料をSEEE F20TAからVSL E5-2へと変更し定着長を伸ばして施工した。

設計変更後工事完成

当初設計  SEEEF20TA
        L=8.010.0
        (自由長 5.0/6.0m)
        (定着長 3.0m)
変更設計  VSL E5-2
        L=8.010.0
        (自由長 4.0/5.0m)
        (定着長 4.0/5.0m)
排水ボーリング工  L=7.0m 1